畳について

日本古来の文化である畳には、日本の気候や生活に適した、沢山の効果があります。

高い断熱性・防音性

い草・ワラの断面は蜂の巣やストローのようになっていて、たくさんの空気を含んでいます。冬は床下からの冷気を断ち、夏はお部屋の冷気を外に逃がしません。
また、同じ理由で防音材の役割を果たし、音を吸収する効果があります。和室の静けさはこういった理由もあります。

保湿・除湿効果

畳は湿度が高くなれば湿気を吸い、低くなれば湿気を放出する作用があり、常にお部屋の湿度を40~50%に保ってくれます。高温多湿の日本の気候にぴったりです。

空気清浄作用

天然の畳表には二酸化炭素や、人体に有害な二酸化窒素、ホコリなどを吸引する力があり、お部屋の空気をきれいにする力を持っています。
また、フローリングに比べてとても柔らかいので、赤ちゃんやお年寄りのお部屋に理想的な床材と言えます。

香りによるリラックス効果

 天然のい草の香りは人をリラックスさせる効果が研究で明らかになっています。また、近年では鎮痛効果があるとの論文も報告されました。

畳の構造はたった3つ!いたってシンプル。

畳床(たたみどこ)

畳の芯となる部分の事で、本来はお客様の目に触れる事はありません。
しかし、畳床は畳の主体なる部分です。

畳床は厚さ5センチ、1メートル × 2メートル程度の板状の素材です。この畳床に畳の表面部分である畳表を縫い付け、縁で覆うことで、畳が完成します。

藁を何層にも重ねて麻糸で縫い付けてできた天然素材100%の畳床が主流でしたが、近年では木質ボードやポリスチレンフォームという材料を利用した畳床が増えています。
また、お部屋の構造に合わせて薄い畳床も普及してきています。

畳表(たたみおもて)

い草の茎と麻糸で織った茣蓙(ゴザ)の事で、畳で一番目に触れる部分です。
国産では熊本県産のい草が日本産畳表の消費量90%近くを占めています。
使われるい草の量は1帖で4000本程度。高級な畳表になると7000本以上のい草の茎が使用されます。

畳縁(たたみべり)

畳縁は、畳のふちにつける3センチほどの布の事で、畳を補強し、きれいに見せるために縫い付けられる大変重要な部位です。
歴史的には、畳縁の柄や種類によって座る人の地位や身分を表す指標になっていました。

近年では市松柄や、キャラクターがあしらわれている柄など、バラエティーに富んだ様々な縁が登場しています。

近年ではい草以外の特殊な素材でできた畳も登場しています

和紙製の畳

機械すき和紙をこより状に紡いだ素材で出来た畳表です。
表面を樹脂加工する事で撥水性や1本1本の強度を加えつつ、い草のような自然な色合いを再現しています。

樹脂製の畳

天然い草の風合いや肌触りをそのままに、高い機能性を持たせた畳表です。
耐久性に優れた樹脂(ポリプロピレン)と、天然の風合いを表現する天然の無機素材(カルシウム)からできています。

特殊素材で出来た畳の大きなメリット

リラックス効果のあるい草の香りはありませんが、通常のい草よりも水や油汚れに強く、お手入れが簡単なので畳を清潔に保つことができ、畳の色合いや肌触りが長持ちします。
質感もい草にかなり近いものとなっています。
カビやダニの発生、日焼けや色あせなどの変色なども抑える事ができます。

また、原色に近いカラフルな畳や、真っ黒な畳など、お部屋の個性を出すことが可能です。

畳工事の種類

表替え(おもてがえ)

畳表と畳縁を新品に交換する工事です。畳床は既存の物を利用します。見た目は完全に新品になります。
お部屋の環境にもよりますが、天然い草であれば5年程度、特殊素材であれば10年程度が表替えのタイミングです。
ささくれが衣服や靴下に着くようになったり、畳の光沢が無くなってきたら表替えを推奨しています。

畳の新調・新畳(しんだたみ)

畳床も含めて畳すべてを1から作る工事です。
畳は15年から20年ほどで交換の目安となります。
畳のお手入れや換気などをしっかりと行って大事に使えば長く使い続けることが出来ます。
畳床がへたってきて、踏むと音がしたり、凹むような感触がある場合は畳の新調を推奨しています。

裏返し(うらがえし)

畳の使い方や、お部屋の環境にもよりますが、2~3年ほどが裏返しのタイミングです。5年以上経過している場合は表替えを推奨しています。